働くことへの一歩は、決して小さくなかった
長年、精神疾患と向き合いながら、「社会復帰」という言葉に対して複雑な思いを抱いていました。
「体調は安定していないし、フルタイムで働くなんて無理じゃないか」
そんな不安がつきまとうなかで、最初の選択肢となったのが就労継続支援A型事業所でした。
A型を選んだ理由は、以下のような点でした:
- 一般就労とは異なり、無理のない勤務時間(週20時間以下など)が可能
- サポート体制が整っており、体調や気分の波にもある程度対応してもらえる
- 雇用契約があるため、最低賃金が保証されている
- スタッフが日常的に相談に乗ってくれる環境
この条件なら、働くことを「怖いもの」ではなく「ちょっとがんばってみようと思えるもの」として感じられました。
実際に働いてみて気づいたこと
通い始めてまず感じたのは、「できる範囲で働く」ことの安心感です。
無理をしてでも成果を出さなければならない一般就労とは異なり、A型では「その日出勤できたこと」がまず1つの達成になります。
私の場合、パソコン作業は行っておらず、軽作業や単純作業を通じて「働いている」実感を少しずつ取り戻しました。
そして、何より大きかったのは、「ここに居場所がある」と思えることです。
ただ時間を潰すのではなく、社会の一員として役割を持つことが、自己肯定感にじわじわ効いてくるのです。
月収9万円。それでも得たものは大きい
A型事業所での収入は、月に約9万円。
決して高くはありませんが、**「自分で稼いだお金」**という事実は、自信の源になります。
また、楽天モバイルを利用して月額980円に抑えるなど、支出を工夫することで生活のやりくりにも前向きになれました。
働くことは、回復の一部でもある
A型での勤務を始めてから、「何かを続ける力」が少しずつついてきたと感じます。
完璧じゃなくていい。調子が悪い日があってもいい。
それでも「明日も来よう」と思える場所があるのは、何よりの支えです。
今、働くことに不安を感じている方へ。
無理をしなくても、ゼロから少しずつ前に進む選択肢はあります。
もしあなたが「一歩踏み出せるかもしれない」と思えたら、それだけで十分です。
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