病気や障害があると、働くこと自体がとてもハードルの高いものに感じられることがあります。
「普通の職場では続かない」「体調が不安定」「面接で断られた」――そんな悩みを抱えた方にとって、就労継続支援A型は一つの選択肢になり得ます。
この記事では、実際に統合失調症を抱えながら就労継続支援A型で働いている筆者が、そのリアルな体験をもとに「障害があっても働ける場所」をご紹介します。
就労継続支援A型って何?
A型事業所とは、障害や病気を持つ人が雇用契約を結んで働くことができる福祉サービスです。
最低賃金が保証され、体調に合わせた勤務日数や時間の調整も可能です。
特徴としては:
- 雇用契約あり(最低賃金以上)
- 福祉と就労の中間地点
- 体調への理解がある
- 支援員によるフォローあり
「一般就労はまだ不安」「自信を取り戻したい」という方にとって、リハビリ的な意味合いも強い制度です。
僕がA型事業所で働いてみて感じたこと
筆者は、長年のうつ症状と統合失調症の診断を受け、就職活動もうまくいかず、社会との接点を見失っていました。
そんな時に出会ったのが、A型事業所。
最初は週2日の短時間勤務からスタート。
体力や体調に配慮したスケジュールを組んでもらえたのが、何より安心感につながりました。
現在は週5日勤務し、月収9万円ほどを得ています。仕事は主に手作業で、商品の仕分けや袋詰め、シール貼りなど、黙々と取り組める作業が中心です。
「自分にもできることがある」という実感
働くということは、必ずしも難しい仕事やパソコンスキルを必要とするわけではありません。
むしろ、自分の特性に合った作業を見つけ、少しずつできることを増やしていくことが、回復や安定につながると感じています。
作業に集中し、1日の仕事を終えると「自分にもできた」という気持ちになり、それが次の日の力にもなります。
無理なく「社会とつながる」
A型事業所は「いつか一般就労したい」という人の足がかりにもなりますが、「焦らず、自分のペースで働きたい」という人にとっても、とても良い環境です。
周囲の職員や同僚も、障害に理解がある人ばかりなので、肩の力を抜いていられる時間が多いのも、精神的に助かっています。
おわりに
「もう働けないかもしれない」と思った時期が、僕にもありました。
でも、就労継続支援A型という仕組みを知り、利用する中で、「まだやり直せる」と思えるようになったのです。
障害や病気を理由に社会から離れざるを得なかった方も、自分らしい働き方を見つけられるはずです。
この記事が、そんな誰かの新たな一歩のヒントになれば嬉しく思います。
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