長年病気と付き合っていると、「自分にはもう価値がない」と感じてしまうことがあります。
誰かと比べて落ち込んだり、社会から取り残されたような気持ちになったり。筆者も、統合失調症と診断された当初、同じような思いに苦しみました。
けれど、少しずつでも働くことで、そんな自己否定の連鎖を断ち切ることができました。
仕事は「自己肯定感」を育てる場所になる
働くことは、ただお金を稼ぐだけではありません。
毎日出勤して、与えられた作業をこなす。その積み重ねが「自分にもできることがある」という感覚につながっていきます。
たとえそれが、パソコンや接客のような「一般的な仕事」でなくても構わないのです。
たとえば――
- 指示に従って仕分けをする
- シールを貼る
- 製品をきれいに梱包する
こうした単純作業であっても、真剣に取り組めばきちんと成果になります。そしてその成果は、周囲に「ありがとう」と言ってもらえる小さな実感へとつながっていきます。
働ける時間が少なくても、自分を責めなくていい
筆者も、最初は週に2~3日の短時間勤務でした。
それでも疲れて帰ってくると、「今日はやりきった」と心から感じることができました。
大切なのは「フルタイムで働けるか」ではなく、「今の自分にできる範囲で力を出しきれているか」です。
無理に働いて再び体調を崩すよりも、ゆっくり着実に「生活のリズム」を整えていくほうが、結果的には長く安定した就労につながります。
「稼ぐこと」よりも、「立ち直ること」が最優先
障害がある状態で働くと、どうしても収入が少なくなりがちです。
筆者自身も、月9万円ほどの収入しかありません。障害年金も受給しておらず、決して楽な生活とは言えません。
でも今は、「それでも働けていること」自体が、とても貴重で、誇らしいことだと思えるようになりました。
焦らず、自分の回復と向き合いながら、それでも「一歩前に進もう」とする姿勢が、いつか収入にもつながっていく。今はそう信じています。
おわりに:できることから始めよう
「働くのが怖い」と思っている方へ、筆者から伝えたいことがあります。
完璧じゃなくていい。たくさん働けなくてもいい。
あなたが「今日もがんばった」と感じられたなら、それは立派な仕事です。
自己肯定感は、特別な成功をしなくても、日々の積み重ねでちゃんと戻ってきます。
あなたの価値は、失われてなんかいません。
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