うつを発症してから20年。
その間ずっと「うつ病」として治療を受けてきました。けれど、どこかで感じていた違和感——それが確信に変わったのは、3回の入院を経た後のことでした。
やっとたどり着いた診断名は「統合失調症」。そこに至るまでには、8年という長い時間がかかりました。
目次
「何かが違う」と思いながら過ごしていた日々
気分の落ち込み、意欲の低下。たしかに、うつ病の症状もありました。
でも、それだけじゃなかったんです。人の視線が気になりすぎたり、自分の考えが頭の中で増幅していくような感覚があったり。
それなのに、診断はずっと変わらなかった。「こんなもんなのか」と自分に言い聞かせながら、治療を続けていました。
発作——起きているのに夢の中にいるような
転機となったのは、突然の発作でした。
現実の中にいるはずなのに、感覚がぼやけていて、音が遠く感じられ、意識がふわふわと浮いていくような——
夢と現実の境界がわからなくなる、不思議で怖い体験でした。
でも、見た目には「ぼーっとしているだけ」に見えるのか、周囲にはなかなか伝わりません。
これが3度続き、そのたびに入院。ようやく、診断の見直しが始まりました。
「統合失調症です」と言われた瞬間
3回目の入院後、医師から「統合失調症という診断に変わります」と告げられました。
最初はショックというよりも、「やっとたどり着いたか」という気持ちが強かったです。
長年抱えてきた“何かがおかしい”という感覚が、ようやく言葉になった瞬間でした。
正しい診断が出たことで治療が動き出した
診断名が変わると、薬の内容も大きく変わりました。それに合わせて、症状のコントロールもしやすくなっていきました。
それまでの治療では届かなかったところに、ようやく手が届いたような感覚がありました。
本当の意味での治療は、ここから始まったんだと思います。
遠回りだったけれど、わかってよかった
8年という時間は決して短くありません。
でも、時間がかかっても「わかる」ことは、大きな意味があります。
今、もし自分の症状に疑問や不安を抱えている人がいたら、「迷ってもいいから、諦めないで」と伝えたいです。
診断名がすべてではないけれど、正しい方向に向かうための道しるべにはなります。
コメント