最初に制度の話をしたとき、親はやはり否定的だった。
たとえば、障害者手帳のことを話したとき、
返ってきたのはこんな言葉だった。
「そんなの、ただの税金の無駄使いじゃないのか」
「お前はそこまでじゃないだろ」
「国に頼るって、どういうことだよ」
正直、またか……と思った。
目次
親の頭の中には、「制度=不正受給」というイメージがあった
テレビでよく見る「不正受給」や「ずるい人ばかり使っている」という情報が、
親の中で制度全体の印象を悪くしていた。
でも、私は実際に制度を調べ、専門家にも相談し、
正当な手続きのうえで使えるものだということを確認していた。
少しずつ、制度の“中身”を伝えていった
親に対して、感情的にはならずに、
制度の仕組みや対象者、目的を丁寧に伝えた。
「これは医療費を軽減するための制度で、不正でも特別扱いでもない」
「自立を助けるための制度であって、働けなくなる仕組みじゃない」
「手帳があることで、通院が続けられるし、外出もできるようになるかもしれない」
はじめは聞き流していた親も、
あるとき「お前、それちゃんと診断書も出すのか」と聞いてきた。
手続きの大変さを話したら、親が「一緒に行こうか?」と言ってくれた
書類の準備や、役所への申請。
けっこうな手間がかかることを話したら、
意外にも親が「それ、一人で行くの大変だな」と言ってくれた。
「じゃあ、わからないことがあったら手伝うよ」
「病気の人向けの制度なら、ちゃんと使っていいと思う」
最初の言葉とはまるで違う、協力的な態度だった。
まとめ:「伝えなければ、わかってもらえない」でも、伝えたら変わることもある
最初から否定されると、心が折れそうになる。
でも、制度を使う人間として、正しく知っている自分が、丁寧に伝えることで空気が変わることもある。
理解のなかった親が、少しずつ歩み寄ってくれた。
制度の力だけじゃない。人との関係にも、少し希望が見えた瞬間だった。
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