「何もできない自分」を責め続けていた。でも制度を使ったら、少しだけ息ができた。

働けない、起きられない、何も進まない――
そんな日々が続いていたとき、
一番つらかったのは、自分で自分を責めてしまう時間だった。

「本当は甘えてるんじゃないか」
「みんな頑張ってるのに、自分だけが…」
頭の中は、そういう言葉でいっぱいだった。

制度を使うことに抵抗があったのは、恥ずかしさや罪悪感のせいだった

自立支援医療も、障害者手帳も、A型事業所も、
“助かる制度”だとわかっていても、
最初の一歩が踏み出せなかった。

「制度を使う＝できない人間の証明」みたいに思っていた。

でも実際に使ってみたら、
「あ、助けってこういう形でもあるんだな」と
少しだけ、気が楽になった。

自立支援医療で、通院費が1割負担になった。
それだけで、通院のストレスが大きく減った。

そして気づいた。

「誰も“ズルい”なんて思ってない」
「制度って、“困ってる人が使う”ためにあるんだ」

その実感が、「使ってよかった」と思える第一歩だった。

A型事業所に通って、
週に何日かでも外に出られるようになった。
少しの作業でも、「今日できたこと」がある。

自分を責める時間よりも、
「今日はこれだけできた」という思い出しが増えていった。

苦しいとき、人はすぐに「自分のせいだ」と思ってしまう。
でも、制度という“仕組みの支え”があると、
「今はこれでいいんだ」と思える瞬間が生まれる。

自分を責めるより、生き延びる方法を選ぶ。
それを許してくれたのが、制度だった。