制度を使おうとしたとき、いちばん反対してきたのは、意外にも身近な人でした。
とくに親世代は、「制度＝恥ずかしいもの」「人様に迷惑をかけるもの」という価値観を持っていることが少なくありません。
私もかつて、支援制度の申請を考えたときに、親から強く反対されたことがあります。
「まだ若いんだから、そんなのに頼るな」
「努力が足りないだけだろう」
その言葉が、ずっと心に引っかかっていました。
目次
親の価値観と、自分のしんどさ
「制度＝負け」という思い込み
親は親なりに、「自立してほしい」「堂々と生きてほしい」という気持ちがあったのかもしれません。
でもその裏には、「制度に頼る人はだらしない」「本当に困っている人だけが使うものだ」という偏見があったように思います。
自分の体調とは関係ない「理想像」
「昔はもっと大変だった」「我慢して働いてきた」
そう言われても、今の自分は我慢できる状態ではありませんでした。
でも、それをうまく伝えることができず、「親をがっかりさせたくない」という気持ちが制度の利用をためらわせていました。
それでも制度を使った理由
限界を越えて、やっと気づけた
ある日、本当に動けなくなりました。
通院もできず、食事もまともに取れず、「これはもう、制度を使わなきゃ無理だ」と心から思いました。
そのとき初めて、「親の価値観より、自分の命のほうが大事だ」と思えるようになったんです。
「親の理解」は、あとからでもいい
制度を使い始めたとき、親には黙っていました。
無理に説得しようとすると、かえって対立してしまいそうだったからです。
あとで落ち着いたときに、少しずつ話していけばいい。今はまず、自分の生活を守ることが先決だと割り切りました。
制度は「人に迷惑をかけること」ではない
支え合う仕組みを、遠慮なく使っていい
制度は「助けてほしい」と声を上げた人のために存在している。
それを必要なときに使うのは、恥でもワガママでもなくて、「生きるための正当な選択」です。
自分を守れたから、親との関係も戻った
不思議なことに、制度を使って生活が安定してくると、親とも落ち着いて話せるようになりました。
「ちゃんと暮らせているなら、それでいい」と言ってもらえたとき、「ああ、最初から分かり合えなくてもいいんだな」と思えたんです。
コメント