社会に出ると、「がんばるのが当たり前」みたいな空気があります。
どれだけ体調が悪くても、「休んではいけない」「迷惑をかけてはいけない」というプレッシャーが常につきまとっていました。
でも、制度を通じて通うようになった場所には、「がんばらなくてもいいよ」という空気が流れていました。
その空気にふれたとき、私はようやく「息ができた」と感じたのです。
目次
無理して笑っていた頃
「元気そうに見せること」が仕事だった
本音を言えば、調子が悪い日ばかりでした。
でも、職場では笑っていないといけない。
「できません」と言えない空気の中で、無理して笑い、無理して働き、家で倒れるように寝る日々。
いつも「人にどう見られているか」を気にしていたから、本当の自分の声なんて、聞こえなくなっていました。
はじめて「今日はつらい」と言えた日
「今日は無理かも」と言ったら、「いいですよ」と返ってきた
支援の場で、ある日調子が悪くて「今日は少し休みたい」と伝えたことがありました。
怒られると思っていたのに、「じゃあ無理しないでね」と言われた瞬間、なぜか泣きそうになったのを覚えています。
その一言が、「ここでは“がんばらない”ことも許されるんだ」と思わせてくれました。
無理をしない自分も、受け入れてもらえた
どんな状態でも、「来てくれてありがとう」と言ってくれる人がいる。
ちゃんと働けなくても、「それが今のあなたなんだよ」と言ってくれる環境がある。
そう思えることで、ようやく自分自身を許せるようになってきました。
安心できる場所があるということ
「元気じゃない自分」を出せる場所
笑わなくてもいい、がんばらなくてもいい、何も話さなくてもいい――
そんな空間に身を置いたとき、呼吸が深くなった気がしました。
はじめて、「ここにいてもいいんだ」と思えたんです。
安心感が、回復の土台になった
がんばることばかり求められる世界では、回復は難しい。
「安心できる場所」ができたことで、少しずつ生活が整い、自分のペースを取り戻していくことができました。
今なら言えます。
“がんばらない”ことを許される場所は、ただの「甘え」じゃなく、回復に必要な環境だったんだと。
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