制度を利用するには、“自分から申し出る”必要があります。
でも、そもそもそれができない人にとって、制度ってあまりにもハードルが高すぎると思うのです。
たとえば、「困っています」と役所の窓口で言うこと。
「制度を使いたいです」と電話をかけること。
「生活が苦しい」と紙に書いて出すこと。
どれも、“元気な人なら簡単”かもしれないけれど、
本当に支援が必要な人ほど、その「ひとこと」が出てこない。
私もそうでした。
人に頼るのが苦手で、「ひとりでなんとかしなきゃ」と思い込み、
制度の存在を知っても、なかなか動けなかった。
「制度を使いたい」は、すごく勇気のいる言葉だった
家族にも友達にも言えなかった「生活が苦しい」という本音。
役所の人に、「どこまで言えば理解されるのか」がわからず、何度も言葉に詰まりました。
手続きが複雑だから、というよりも、
「自分をさらけ出すのが怖かった」んだと思います。
「ずっと我慢してきたのに、ここで助けてなんて言ったら、負けたみたいじゃないか」
そんな気持ちを抱えていた時期も、確かにありました。
制度は「声の小さい人」にこそ届いてほしいものなのに
制度の多くは、「申請主義」です。
つまり、自分から申し出ないと始まらない。
でも、支援が本当に必要な人って、
疲れすぎていたり、自分を責めていたり、誰にも頼れなかったりして、
その“一歩目”が出せない。
だから私は、「支援制度を知っている人」が、まわりの誰かにやさしく伝えることがすごく大事だと思っています。
「こんな制度あるらしいよ」「無理に使わなくていいけど、選択肢として知ってるだけでも安心だよ」って。
そうやって情報が届くことで、いつか“自分から申し出る力”が湧いてくるかもしれないから。
まとめ:「助けて」と言える世の中に近づくために
私はいまでも、助けを求めるのがうまい方ではありません。
でも、「制度は、助けを求める練習になる」と思っています。
ちいさな声でも、誰かに届けばいい。
その一歩が、自分の生活を守る大きなきっかけになるかもしれない。
だからこそ、この記事を書いています。
「頼るのが苦手なあなたも、使っていい制度があるんだよ」と。
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