病気の影響で外に出られない時期、「自分は社会から切り離されている」と感じていました。
働いていない、通っていない、人と話さない――
その日常が続くうちに、「社会に属していないような感覚」が強まっていきました。
そんななかで、制度を通じて社会との接点を取り戻す経験がいくつかありました。
目次
通所先で名前を呼ばれたとき、少し空気が変わった気がした
就労継続支援A型に通い始めた初日、
職員の方に名前を呼ばれ、仕事内容を簡単に説明されました。
それはごく当たり前のやりとりでしたが、
「自分が“誰かとして”扱われている」ことに気づきました。
ただ参加するだけで、受け入れられる場所がある
その実感は、日々の中で静かに効いてきました。
制度をきっかけに、人と自然に関われるようになった
福祉制度を通して出会った人たちは、
お互いに過剰な期待や上下関係を持たずに関わってくれました。
決して深い会話でなくても、
「おはようございます」「おつかれさまです」といったやりとりの中に、
安心できる距離感の関係が育っていくのを感じました。
自分で得た収入が「社会との接点」になった
支援を通じて得た収入は決して大きくはありませんが、
「自分で動いた結果」として受け取ることには意味がありました。
たとえば、通所帰りにスーパーで夕食を買うときなど、
日常の中に**「少しだけ戻ってこれた感覚」**が生まれていました。
他人を避けていた頃より、世界が少しだけ穏やかに見えるようになった
以前は、他人の目が気になって仕方がなく、
どんな場所でも緊張していました。
制度を利用して人と関わる機会が増える中で、
少しずつ「人と関わるのも悪くない」と思える時間が増えてきました。
今もまだ社会との距離をすべて埋められたとは言えませんが、
制度がその“橋渡し役”になってくれている実感はあります。
まとめ:制度は「社会に戻るためのきっかけ」になる
支援制度を使うことで、仕事のような役割が生まれ、
人との関係が少しずつ戻ってきました。
その変化は、派手ではないけれど確実なものです。
社会とのつながりを完全に取り戻したわけではないけれど、
もう「完全に切り離されている」とも感じていません。
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