障害があると、どうしても生活費や支援の使い方に他人の目が気になることがあります。「それ、本当に必要なの？」「そんなものに使って大丈夫？」──そう言われたわけではなくても、心のどこかで“後ろめたさ”が芽生えることがあります。今回は、「他人には説明しにくいけど、自分には必要だった支出」について、正当化ではなく“自己理解”として掘り下げてみます。
他人の基準では「ムダ」に見える支出
・高めのスイーツを週に1回だけ買う
・使い切れないかもしれない画材を揃える
・疲れた日にタクシーに乗ってしまう
・静かに集中できるから、ちょっと高いカフェに行く
こうしたお金の使い方は、家計アドバイザーや節約術の本では「見直すべき支出」として真っ先に挙げられます。でも、それがなければ心がもたない、自分の生活がままならない。そういう“意味のあるムダ”もあるのではないでしょうか。
「なぜ使ったか」を誰かに説明しなきゃいけないわけじゃない
制度を利用していると、つい“納税者の目線”を気にしてしまうことがあります。「こんなことにお金を使っていいのか」「非生産的なことに時間を費やしていていいのか」と自分を責めてしまう。でも、支援を受けながら暮らしていても、自分の生活をよりよくする選択をする権利は、誰にでもあるはずです。
自分だけがわかっていればいいお金の使い道
他人の納得より、自分の理解が大切です。「自分にはこれが必要だった」「これは自分にとって意味がある」と思える支出なら、それはムダではありません。
むしろ、「お金を使ったことによって、翌日を穏やかに迎えられた」「イライラせずに人と接することができた」など、生活全体に好影響を与えていることもあります。
「説明できない出費」があること自体が、人間らしさ
合理性だけで生活を組み立てるのは、健常者でも難しいものです。
ときには「無駄だけど嬉しい」「意味はないけど癒やされた」という体験こそが、次の1日を乗り切る力になるのです。
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