社会と制度を生き抜く知恵

制度の存在は、知っていた。でも、実際に使うまでには、長い時間がかかった。人によっては「もっと早く申請していれば」と思うのかもしれない。でも当時の私は、それができなかった。知識じゃなく、感情の問題だった――“受け入れること”が、なかなかできな...

あの頃の自分は、たったひとりで戦っていた。「誰にも頼ってはいけない」「弱音を吐いたら終わり」そう思い込んで、すべてを自分でなんとかしようとしていた。今の私は、制度を使いながら、なんとか暮らしている。それでも、あの頃の自分の苦しみを思い出すと...

ふと考えることがあります。「もし、あのとき制度がなかったら、自分はどうなっていたんだろう」と。制度があったから助かった。支えてくれる仕組みがあったから、生き延びられた。これは決して、大げさな表現ではありません。今ここにこうして生きている自分...

「制度に頼るのは仕方ないこと」「制度にすがるしかない状況だった」――かつての私は、そんなふうに思っていました。でも今は少し違います。「制度を使って生きることは、自分が選んだ生き方のひとつ」そう思えるようになってきました。自分で選んだと感じら...

ずっと、「はたらけない自分には、何の意味もない」と思っていました。収入が少ない、誰かの役に立てていない、社会の一員として何もしていない――そんなふうに、自分の存在を否定していた時期があったんです。でもある日ふと、こう思ったんです。「お金にな...

長い間、「社会とつながる」って、ものすごく重たいことだと思っていました。働くこと、責任を持つこと、立派にふるまうこと――そんな“ちゃんとした自分”じゃないと、社会に関わる資格はないような気がしていたんです。でも、制度を使いながら少しずつ外と...

かつての私は、「普通に働く」ことをゴールにしていました。フルタイム勤務、正社員、毎日通勤――それができてこそ“社会復帰”だと思い込んでいたのです。でも、制度を使って少しずつ生活を立て直す中で気づいたのは、「自分に合った働き方」や「自分に合っ...

「制度を使っている今の暮らしは、仮の姿」そんなふうに思っていた時期がありました。でも今は、「この状態を続けながらでも、ちゃんと人生を組み立てていい」と思えるようになってきました。制度に頼っているからといって、“将来を考えてはいけない”わけじ...

制度を使いながら生きていると、いつの間にかこう思ってしまうことがあります。「いつかは卒業しなきゃ」「ずっとこのままじゃダメだ」「支援を受けている状態は“途中”なんだ」と。でも最近は、少し違う見方ができるようになってきました。制度を卒業するこ...

支援を受けていると、「甘えてるのでは」とか「自分の力で立たなきゃいけないのでは」と、どこかで焦ってしまうことがあります。でも私は、制度に頼っていた時期こそ、「本当の意味での自立」に近づけていたと思うんです。無理して突っ走るのではなく、支えが...