障害者としての生活には、制度や特典がいろいろあります。バス代が無料になったり、税金が軽くなったり。そうした支援に助けられている部分はたしかにあります。
でも一方で、障害年金のような“大きな支え”は受けられていないのが、僕の現実です。理由は、初診日を証明する書類が取れなかったから。制度には「使えるもの」と「使えないもの」があるということを、肌で感じながら暮らしてきました。
この矛盾するような状態の中で、僕はどうやって生活を成り立たせているのかを書いてみます。
目次
手帳の特典には何度も助けられている
バス代無料は想像以上に大きい
僕の暮らす地域では、障害者手帳を提示すればバス代が無料になります。毎日の通所にかかる交通費がゼロになるというのは、月9万円の収入しかない僕にとってはとてもありがたい支援です。
税金の減免や割引制度も活用中
他にも、住民税の減免や、携帯料金の割引、公共施設の優遇など、細かいところでの支援があるおかげで、支出を抑えることができています。
「これがなかったら」と思うことは何度もあります。
それでも、障害年金がない生活はきつい
本当に助けが必要なときに、制度が使えなかった
最初に精神科を受診したクリニックはすでに閉院していて、初診日を証明する書類が手に入りませんでした。症状も重く、通院の履歴もあった。でも、「書類がない」というだけで、申請はほぼ不可能になりました。
気持ちの問題ではなく、制度上の“穴”に落ちた感覚です。
制度に頼れないと、現金収入のありがたみが違う
手帳の特典はあくまで“支出を減らす”方向の支援です。でも、家賃や食費、日用品といった“お金が出ていく”部分は残ります。
だからこそ、A型事業所で働いて得られる月9万円は、僕にとって「ただの給料」ではありません。制度の穴を埋める、数少ない収入源です。
手帳と年金、その間にある生活感覚
「制度は万能じゃない」を前提に生きるようになった
制度はありがたい。でも、すべてを補ってくれるわけではありません。手帳があっても、年金がなければ生活が厳しいのは事実です。
逆に言えば、制度に全幅の期待をしすぎず、「できる範囲で自分でなんとかする」意識を持たざるを得なかったとも言えます。
使えるものだけを使いながら、生き延びる
「全部ダメ」じゃない。「一部は使える」。この割り切りができるようになったとき、ようやく自分の暮らし方に希望が見えてきました。
たとえ年金がなくても、手帳があるから受けられる支援はある。助かる部分だけを上手に活かして、自分の生活をつなげていく。これが、今の僕の現実です。
まとめ
- 障害者手帳の特典は生活の助けになっている
- 障害年金は初診日が証明できず、申請できなかった
- 制度の「使える部分」と「使えない部分」のギャップがある
- だからこそ、支援と自力のあいだでバランスをとって暮らしている
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