病気があっても「普通」をあきらめないために大切なこと

はじめに：普通に生きることが難しいと感じたとき

病気や障害を抱えていると、「普通に働く」「普通に暮らす」といった当たり前のことが、ものすごく難しく感じられることがあります。
健常者と同じペースで働けない。朝がつらくて予定通りに動けない。そんな日々が続くと、「自分は社会に取り残されているのでは」と不安になるものです。

今回は、そんなときでも「自分らしい普通」を取り戻すために意識したいことを、実体験とともにお伝えします。

SNSやテレビで見る「普通の人たち」の暮らし。
朝起きて、フルタイムで働いて、休みの日は趣味を楽しむ――。そんな姿に焦って、自分も追いつこうとしてしまいがちです。

でも、それはあくまで他人の「普通」。自分の体調や特性に合わない生き方を無理に真似すれば、心身ともに疲弊します。

私も、うつ病のときは何もできない自分を責め続けました。「大学を出たのに、なぜ普通に働けないのか」と、自分に失望していた時期があります。

でも、医師の言葉に救われました。「あなたの脳は、風邪をひいている状態。まずは休養が必要です」と。

それを聞いて、「いまの自分にとっての普通」は、回復のための時間をとることなんだと、少しずつ受け入れられるようになりました。

たとえ週5日働けなくても、週2日働けたなら、それは立派な前進です。
「今日は洗濯ができた」「ちゃんとご飯を食べた」――そんな小さな達成感を積み重ねることが、自分なりの“普通”をつくる土台になります。

比べるなら、過去の自分と比べましょう。
「先月よりも外出できる日が増えた」「人と話すのが怖くなくなった」など、自分の変化に注目すれば、他人と比べて落ち込むことは減っていきます。

「毎日働く」「結婚する」「年収○○万円」といった“普通”のイメージに縛られすぎると苦しくなります。
本当は、誰もがそれぞれの普通を生きていい。病気があっても、障害があっても、自分に合った暮らし方を探すことが大切です。

社会の基準に合わなくても、あなたの「普通」はちゃんと意味があります。
「今日はこれでよかった」と思える日が少しずつ増えていけば、それは立派な前進です。

他人のスピードや価値観に合わせなくてもいい。
病気があっても、障害があっても、「自分らしい普通」を生きていくことは、決してあきらめる必要のない目標です。