障害者手帳のことは、以前から知っていました。
けれど、私はずっと「自分には関係ない」と思い込んでいました。重度の人が持つもの、自分はそこまでじゃない。そう決めつけていたのです。
ところが後になって、「あのとき申請していれば、今とは違ったかもしれない」と強く後悔することになりました。
目次
障害者手帳を拒んでいた理由
私が障害者手帳を避けていたのには、いくつかの理由があります。
「そんなに重くない」と思い込みたかった
「自分はそこまで重い状態じゃない」「手帳を持つほどではない」
そう思うことで、なんとか自尊心を保っていた部分がありました。手帳を持つこと=自分が“特別な存在”になってしまうような気がして、抵抗があったのです。
周囲の目が気になっていた
「障害者手帳なんて持ってたら、何か言われそう」
そういった漠然とした不安もありました。実際は、誰にも見せる必要がないし、提示する場面も限定的なのですが、当時の私はその仕組みすら知りませんでした。
実際に受けられたはずの支援とは?
手帳を持っていれば、実はさまざまなメリットがありました。今になって調べてみてわかったことです。
公共交通の割引
通院や買い物のたびに使う電車やバスが割引になる自治体が多くあります。私は毎月数千円の交通費を自己負担していましたが、手帳があれば半額になっていたかもしれません。
携帯電話料金の割引
主要キャリアには障害者向けの割引プランが存在します。私はずっと通常料金で契約していましたが、手帳があれば通信費の見直しができていたはずです。
公共施設・レジャー施設の割引
図書館、博物館、美術館、映画館など、手帳を持っていると入館料が無料または割引になるケースが多数あります。外出のきっかけや娯楽の幅が広がっていたかもしれません。
就労支援との連携
A型・B型事業所、ハローワークなどの就労支援でも、手帳の有無で利用できる制度や優遇措置が変わる場合があります。私も一部の支援制度を「対象外」とされ、遠回りしてしまいました。
今だからわかる「知らなかったことの損失」
私は、手帳を持つことを「恥ずかしいこと」「負けを認めること」のように捉えていました。けれど本当は、「自分を守るための選択肢」を、自分で閉ざしていただけだったのです。
手帳を持ったからといって、誰かに見せる必要はありませんし、無理に使う必要もありません。でも、持っていれば「使える自由」が生まれます。
その“自由”を知らずにいた私は、結果的にお金、機会、そして生活の余裕を何年も失っていました。
まとめ:制度を拒むことが、自分を苦しめていた
障害者手帳を拒んでいたのは、自分の弱さを認めるのが怖かったからです。
けれど今は、「制度を使うことはズルじゃない」と思えるようになりました。むしろ、自分を守り、前に進むための手段です。
この記事が、昔の私のように迷っている誰かの背中を押せたらうれしいです。
知らないまま損をする前に、一度だけ調べてみてください。
その一歩が、これからの選択肢を大きく広げるかもしれません。
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