精神障害者保健福祉手帳、申請のタイミングを逃して損した話

障害者手帳の中でも、精神障害を対象とした「精神障害者保健福祉手帳」という制度があります。
私はこれを知っていながら、申請のタイミングを逃し、結果的に受けられるはずの支援を失った経験があります。

この記事では、そのときの失敗と、なぜ早めに申請すべきだったのかをお話しします。

手帳の存在は知っていた。でも…

主治医から「そろそろ手帳の申請も検討してみますか？」と声をかけられたことがありました。
でも当時の私は、あまり深く考えずに「まだいいかな」と答えてしまいました。

体調も不安定で、書類をそろえることすらハードルが高く感じていたのです。
「そのうちやろう」と思いながら、何か月も、何年も経ってしまいました。

あるとき、就労支援の面談を受けた際に、「手帳があれば利用できる支援があります」と言われました。
やっと本格的に申請しようと動き出したのですが、そこで問題が発生しました。

私の通院歴が不安定だったため、申請に必要な診断書の作成に時間がかかり、結局その時点で利用できるはずだった就労支援のチャンスを逃してしまったのです。

あとで知ったのですが、精神障害者保健福祉手帳を持っていれば、以下のような支援が受けられる可能性があります。

手帳を持っていることで、就労移行支援・A型事業所の利用がスムーズになり、面接や利用申請で優遇される場合があります。

交通費の割引、公共料金の優遇措置、自治体ごとの福祉施策など、意外と多くの支援があります。

手帳を持っていることで、相談支援事業所や地域生活支援センターなどとの連携も円滑に進むことがあります。

今振り返ると、私は「先延ばしグセ」と「自分への遠慮」が混ざっていたように思います。
手帳を取ったからといって、すぐに生活が変わるわけじゃない。そう思って後回しにしていたのです。

でも、いざ必要になったときに間に合わないなら、制度があっても意味がありません。
あのとき申請しておけば、もっと早く社会とつながれていたかもしれない。そんな悔しさが、今も少し残っています。

手帳の申請は、体調が安定している時期にこそ検討すべきです。
「今は必要ない」と思っても、数か月後・数年後に状況が変わることはよくあります。

私のように、「あのとき申請していれば…」と悔やむ人を減らしたい。
この記事がその一歩になれば幸いです。