福祉制度を使えるようになって、生活は少し楽になりました。
医療費が下がったり、就労支援が受けられたり、精神的にも少し安心できるようになった。
――それなのに、心のどこかがずっと重たかった。
「自分だけ得してる気がする」
そんな感情が、私をじわじわと責めていたのです。
まわりと比べてしまう感覚
制度を使っても、知人や家族は変わらず苦しい生活をしている。
それを見るたびに、「自分だけ楽をしているのでは」と思ってしまった。
私なんかより頑張ってる人がたくさんいる。
働き詰めで通院もできない人たちがいる。
私は制度で少し助けられている――
その事実が、なぜか申し訳なさとして心に残ったのです。
心の奥にあった「平等でなければいけない」という思い込み
子どもの頃から、「みんな同じようにがんばるのが正しい」と教わってきました。
「ズルはいけない」「順番を守れ」「自分だけ得してはいけない」――
その価値観が強かった私は、
制度を使うことに**“ズルしている感覚”**を抱いてしまったのかもしれません。
でも本当は、「必要な人が使うもの」だった
冷静に考えれば、制度はズルでも抜け道でもない。
むしろ、「困っている人が、その困難を乗り越えるための支え」です。
まわりが使っていないからといって、
自分が使ってはいけないということではない。
そもそも、困りごとは人によって違うのだから。
まとめ:罪悪感は、優しさの裏返しでもある
制度を使って「得してしまった」と感じるのは、
それだけ他人を思いやれる気持ちがあるということでもあります。
でも、その優しさが自分を苦しめるなら、
少しだけ、自分にやさしくしてもいいのかもしれません。
制度は、あなたを楽にするためのもの。
あなたを甘やかすためじゃなく、守るためにある。
そのことを、少しずつ実感できるようになりました。
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