制度を使うことで、医療費や交通費が軽減されたり、働くためのサポートが受けられたり。
そういった話を聞いたとき、私は「便利そう」とは思ったけれど、なぜか申請に踏み切れませんでした。
理由は単純で――
「使ったあとに、いちいち説明するのが面倒くさそう」だったからです。
「その割引、どうしたの?」が怖かった
例えば、障害者手帳を使って割引を受けると、
周囲に「え、どうして安くなってるの?」と聞かれるかもしれない。
病院の受付で制度の書類を出すと、
後ろに並んでいる人の目が気になる。
「何か説明しなきゃいけない場面」が来るのが怖かった。
だから最初から、制度を使わない方が楽だと思ってしまったのです。
本音を話すのがつらかった
私の場合、精神疾患が背景にある制度利用でした。
だからこそ、「実はこういう病気があって……」という話を切り出すのが特につらかった。
「サボってると思われるんじゃないか」
「ズルしてるって見られないか」
そういう不安が、ずっとついて回っていた。
説明しなくても、使っていい
ある日、支援機関の人がこう言ってくれました。
「説明は“したければすればいい”。義務じゃありませんよ」
この言葉に、少し肩の力が抜けました。
制度は誰かを説得するためのものではなく、
自分のために使うもの。
「説明が面倒」と思っていたのは、
実は「人の目が怖い」と感じていた証だったのかもしれません。
まとめ:説明できなくても、制度はあなたの味方
説明ができなくても、制度は使っていい。
誰かに分かってもらえなくても、自分に必要なら使っていい。
わかってもらうことと、助けを受けることは別の話。
私は今、ようやくその境界線を見つけられるようになってきました。
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