はじめは、ほんの小さなことでした。
「今日はゴミ出しができた」
「昼ごはんを作る気力があった」
「通所先で、人と少し話せた」
一つひとつは誰かに誇れるようなことじゃない。
でも、自分の中では確かに、“できなかったことが、できるようになってきた”実感がありました。
目次
できるようになったことは、すぐには気づかない
「変化」は少しずつだから、わかりにくい
毎日の調子を記録していたある日、ふと気づきました。
「そういえば、最近横になってる時間が減ってきたかも」
「前より、通所先に行くのがしんどくない気がする」
劇的な回復ではなく、じわじわと変わっていく日々。
その小さな変化に気づいたとき、ほんの少し、希望が生まれました。
「昨日と同じように過ごせた」が前進だった
以前は、良い日と悪い日の波が激しすぎて、自分がどうなるか予測できませんでした。
でも、「昨日と似た一日を送れた」と感じられる日が増え、それが何よりの安定のサインでした。
「できること」リストが自信になっていった
最初は「起きる」「食べる」だけだった
制度を使いはじめた頃、1日の目標は「顔を洗う」くらい。
それでも、それが“できた”日には、チェックをつけていました。
チェックが3つ続いた日、7日間続いた日。
そうやって「自分にも続けられることがある」と気づくことで、自信が育っていきました。
自分のペースを守りながら広げていく
「今日は10分だけ外に出てみる」
「週に1回、自分で昼ごはんを作ってみる」
そんな小さな挑戦を、無理のないペースで積み重ねました。
それが、のちの“社会との再接続”につながっていきました。
「もっとやらなきゃ」じゃなく、「少しだけ進もう」でいい
他人と比べると、また苦しくなる
周りを見れば、もっと働いている人、もっと元気そうな人がたくさんいます。
でも、比べた瞬間に、自分の努力や進歩が色あせてしまう。
「昨日の自分と比べる」
「1年前の自分と比べる」
そうやって、自分なりの歩みを認めてあげることが、いちばんの支えになりました。
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