働くときに、自分を守るために決めた“ゆるいルール”

再び働きはじめるとき、私はある決意をしました。
それは、「もう、あの頃みたいに無理はしない」ということ。
そのために、自分なりの“ゆるいルール”をいくつか決めて、少しずつ働きはじめたのです。

そのルールは、他人から見れば甘えに見えるかもしれません。
でも、私にとっては、「自分を壊さずに働く」ための大切な約束でした。

就労支援を利用するようになってから、「休んでもいい場所」であることに、どこか救われました。
それでも最初は、「こんなに休んでいいのかな」と罪悪感でいっぱい。
でも、「今日休んだことで、明日が持ち直せた」経験を重ねるうちに、「休むことも回復のうち」と思えるようになりました。

「同じ場所に通っている人が、もっと働けている」
「自分より年下の人が先に就職した」
そんなふうに比べては落ち込んでいました。
でも、自分のスタートラインは、自分だけのもの。
他人と比べる代わりに、「昨日の自分と比べる」ことを意識するようになりました。

たとえば「フルタイム勤務は無理」でも、「週3日、午前中だけなら行ける」
「対面の仕事は無理」でも、「裏方なら落ち着いてできる」
そうやって、「できること」にフォーカスすることで、働くハードルが一気に下がりました。

仕事のミスが怖かったころ、「間違えたら終わり」と思い込んでいました。
でも、「人間だもの、ミスもする」と自分に言い聞かせ、できる限り丁寧に、でも完璧は求めすぎないように心がけています。

働き出すと、「もっと稼がなきゃ」「もっと期待に応えなきゃ」と思ってしまうことがあります。
でも私は、「生活が乱れるほど働かない」と決めています。
働くことで生活が壊れたら、本末転倒。
余白を残して働くことが、長く続けるコツだと思っています。

がんばりすぎず、投げ出さず、自分のペースで続けていく。
そんな働き方が、少しずつ形になってきました。

誰かと同じようにはできないけれど、
「これが自分の働き方」と思えるようになった今、
仕事に対する恐怖は、だいぶ小さくなった気がします。