制度を使って生きることを、“自分で選びなおした”話

「制度に頼るのは仕方ないこと」
「制度にすがるしかない状況だった」
――かつての私は、そんなふうに思っていました。

でも今は少し違います。
「制度を使って生きることは、自分が選んだ生き方のひとつ」
そう思えるようになってきました。

自分で選んだと感じられることが、こんなにも気持ちを楽にしてくれるなんて――当時は想像もしませんでした。

「しかたなく使っている」という感覚から抜け出せなかった

頼らざるを得なかった自分に、後ろめたさがあった

初めて制度を利用したとき、心のどこかで「本当は使いたくなかった」と感じていました。
「できることなら使わずに済ませたかった」
「これは最終手段なんだ」
そんな気持ちが、ずっと胸の奥に残っていたのです。

支援を受けていても、“受け身”のままだった

手続きをして、制度が通って、実際に支援を受けはじめても、
どこか「これは自分の人生じゃない」「ただ流されてるだけ」と感じてしまう部分がありました。
“使っている”というより、“使われている”感覚だったのかもしれません。

「これでいい」と思えたのは、“選びなおした”から

自分の意志で「この制度を使おう」と思った日

あるとき、「制度をやめるかどうか」を真剣に考えたことがありました。
そのときに、初めて“選択肢として”制度を見つめ直せたのです。

「今の自分に必要な支えだから使う」
「自分を守るために使う」
そう思って使い続けることを“自分の意志”で決めたとき、初めて気持ちが前向きになりました。

“逃げ”ではなく“戦略”として受け入れた

制度に頼ることは、決して“楽な道”でも“ズル”でもなかった。
むしろ、制度があるからこそ、無理をせず回復でき、暮らしを立て直せた。
「制度を使う＝賢い選択」だと考えるようになったら、自分自身への信頼が少しずつ戻ってきました。

今、自分の人生を「自分で歩いている」と思える

支援の中で、自分らしい選択肢を見つけてきた

短時間勤務、ゆるやかな人間関係、無理のない日課。
どれも、制度の中で少しずつ選び取ってきた“自分仕様の生き方”です。

誰かに決められた道ではなく、自分で組み立ててきたと感じられるようになった今は、
「この道でよかった」と心から思えます。

これからも、自分のタイミングで選びつづけたい

制度に頼る日が続いてもいい。卒業したいと思えば、そのとき選びなおせばいい。
大切なのは、“どの道を選ぶか”ではなく、“自分で選んだと感じられること”。

それが、今の私にとっての“自由”です。

まとめ：「制度を使うこと」は、消極的な選択じゃない

誰かにすすめられたからでも、仕方なくだからでもない。
制度を使うのは、自分のための選択であっていい。

「これでいい」ではなく、
「これがいいから、私はこうする」――
そう言えるようになったとき、人生が少しずつ、自分のものになっていきました。