病気や障害で生活が崩れていくとき、
もっとも失いやすいのが「未来への想像力」かもしれません。
明日のことすら不安で、
来月の予定なんて立てられない。
1年後を考えることが苦痛になる。
そんな状態だった私が、**支援制度を使うことで“将来の話ができるようになった”**という変化を、今回は書き残しておきたいと思います。
目次
制度を使う前、「未来」はプレッシャーだった
働けないことに罪悪感があった日々。
将来の話になると、ただ焦るばかりで、現実は何ひとつ動いていませんでした。
「このまま年を取ったらどうなるんだろう」
「家族に迷惑をかけたまま終わるのかな」
そんなネガティブな想像ばかりが、頭の中をぐるぐるしていました。
通所をはじめて、「日々の積み重ね」が可視化されていった
就労継続支援A型に通い出してから、
毎日ほんの少しでも活動することで、自分の変化が見えるようになりました。
最初は週3日だけ。
それが慣れてきて、週5日通えるようになる。
PCに触る時間が増える。できる作業が広がる。
「昨日より少しできたこと」が、
将来のイメージをつくる材料になると知りました。
将来のプランが“希望”として語れるようになった
以前は、「こうなったらいいな」と考えるだけで落ち込んでいました。
現実の自分と理想の差が大きすぎて、何もできる気がしなかったからです。
でも、制度の支援を受けながらステップを踏んでいくうちに、
「こうなれたらいいな」が「いずれ実現できるかも」に変わっていきました。
たとえば、「家の外でもう少し働けたら」
「在宅ワークの準備をしてみようかな」
といった言葉を、自分の口から自然と話せるようになったのです。
無理に頑張らなくても、“少し先”を目指せばいい
支援制度の中では、
「焦らなくていい」「段階的でいい」という言葉がよく使われます。
最初はそれが“慰め”のように聞こえていました。
でも、今では「段階的な支援こそ、確実な成長を生むんだ」と感じています。
遠くのゴールではなく、“一歩先”を見据えながら進むこと。
それが、支援制度を使う最大の意味かもしれません。
まとめ:制度を使うことで、「将来を語る言葉」を取り戻せた
社会保障や福祉制度は、ただ生活を支えるだけのものではありません。
「未来への思考」を再起動させる装置でもあると私は感じています。
手帳を持つことに躊躇した日もあった。
支援を受ける自分を認めたくないときもあった。
それでも今、こうして「これからのこと」を落ち着いて考えられている。
その背景には、制度という安心できる足場があるのです。
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